場所は、千葉県いすみ市。
午前中は、未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選(水産庁)に選ばれた岩船地蔵尊がある「岩船漁港」。
午後は、イセエビの水揚高日本一の「大原漁港」(残念ながら昨年は2位だったそうです)。
前日は、地元の協力団体「夷隅郡市自然を守る会」の方々とNPO法人森の学校とで、真っ暗になるまで準備し当日に臨みました。
当日の明け方には強い風が吹き始め、寝ていたテントが吹き飛ばされそうになり心配でしたが、その風も開校式のころには少しおさまりました。
しかし、直前に強風でタープのポールが折れるなど対応に追われました。
それでも一人の欠席もなくみなさん集合し、学校を開校することができました。
開校式はNPO森の学校_代表の佐伯剛正が開校の趣旨そして、今日の授業の狙いなどをご説明しました。
その後すぐに1時間目の授業『フィッシングスクール』が始まりました。
まずは全員で釣りの「マナースクール」を受けます。
マナーの悪い釣り人の捨てた糸が絡まって飛べなくなった鳥の話もありました。
海を楽しむにはまずこうしたマナーを守っていくことの大切さが紹介されました。
続いて「海の釣り講座」と「ルアーキャスティング」の授業が開かれました。
全員ルアーは初めてでしたが、なんとかルアーが前に飛んで行くようになったようです。
2時間目の授業は、この日の主要テーマである『潮だまり体験』です。
私たち地球の生命の始まりは40億年前の原始地球の潮だまりの中から生まれたといわれています。
熱く煮えたぎる海水の中の物質がぶつかり合うことから、奇跡的に生命が生まれてきたそうです。
その「原始の潮だまり」と現在の多くの生き物たちが棲む住処である「磯の潮だまり」をはるかな生命の源に思いをはせながら観察しました。
その潮だまりにはクサフグや貝やカニの仲間、ウニやヒトデ、イソギンチャクもいます。観察終わるとすべての生き物は再び海に返されました、持ち帰っても1日も生きることはできないし、無駄に命を絶つことになるからです。
お昼ご飯は「太東蛸飯弁当」です。太東岬の近くでとれる蛸はおいしくて有名です。地元のおばさんたちの手作り弁当です。
昼食をとりながら大原漁港へ移動し、3時間目が始まりました。
まずは、大原漁港から沖合20キロまで広がる「いすみ根(昔は器械根と呼ばれていました)」についての話です。
アワビなどの餌にもなり多種多様な生き物たちの住処となる”カジメ”という昆布の仲間の根の役割なども紹介されました。
そして二隻の漁船に分乗して「自然観察クルーズ」に出かけました。
残念ながらスナメリなどを見ることはできませんでしたが、森からの栄養分を運ぶ川、そしてその豊かな恵を受けて育つ海の中の森とのつながりを感じ取っていただけたようです。
最後は、みんなで今日いちいちをふりかえり、修了式を行い解散しました。
ぎっしり詰まった一日でしたが、解散後、早速、釣りをするご家族もいらっしゃったようです