森の学校の事務局は銀座にあります。
銀座と聞いてパっと自然を連想する人はなかなか少ないと思いますが、
少し気に掛けて見てみれば銀座でも自然を感じることができます。
というわけで、私たちふたり(ちと、あっちゃん)が発見した
四季折々の銀座の自然を紹介していきたいと思います。
題して『銀座の自然しらべ』!
記念すべく第1回目のはじまりですー!
銀座通りを歩いていると、飾りが付いた季節外れのクリスマスツリー…?
銀座通り沿いにイチイが植えられていました。
飾りと思いきや、よく見てみると赤いものはイチイの実のようです
◇-----< クイズ >----------------------------------------------------------◇
さて、ここでクイズです!
Q:この実に隠された秘密はなに?
〔a〕 食べることができる。
〔b〕 猛毒があるので食べられない。
〔c〕 まわりの赤い部分は食べられるが、中の種子には毒がある。
さて、正解はどれでしょう!?
◇-----< こたえ >----------------------------------------------------------◇
気になる正解はー!?
A:〔c〕
“まわりの赤い部分は食べられるが、中の種子には毒がある”
です!
まわりは食べられるが、猛毒である・・・??
◇-----< イチイの赤い実のひみつ >------------------------------------------◇
どういうことでしょうか。早速実をよく見てみましょう。
この真っ赤な果肉はトロっとした甘みがあります。
地方によっては、この果肉の部分を集めて果実酒をつくることもあるそうです。
毒があるのはこの内側にある茶色の種子(タネ)の部分。
絶対に食べないでください!!
これにはタキシンという猛毒物質が含まれており、
人間が食べると量によっては中毒になり、
最悪の場合、死に至ることもあると言われています。
でも、一体どうしてこんな特殊な構造になっているのでしょうか。
実は、“果肉は食べることができて、タネは毒”というのは
子孫を残すための工夫だといわれています。
この実を食べるのは主に鳥類です。
鳥も毒があることを知っているので、赤い果肉の部分だけ食べてタネは吐き出します。
こうして、タネを鳥に出来るだけ広い範囲へ蒔いてもらうという
イチイの木の作戦なのです。
また、毒があることで実を食べられ過ぎるのを防ぐ効果もあるそうです。
このように、植物の命をつなぐための工夫には驚きがたくさんあります。
これからも、面白い植物などを紹介しながら、
森の学校のテーマである“命のつながり”をお伝えしたいと思いますのでお楽しみに!
◇-----< 今日の銀座の自然しらべ >------------------------------------------◇
*日時:2013年1月9日(水) 12時頃
*天気:晴れ
*気温:7℃
*発見した場所:銀座通り
このイチイはここでみつけました!
---イチイ(別名:オンコ)--------------------------------------------------------
イチイ科イチイ属の常緑高木。
北海道〜九州の深山に生え、寒冷地では庭木にされる。
葉は2センチ前後でらせん状につくこともある。
実の赤い部分は食べられるが、種子は有毒。
[ 『葉で見分ける樹木』 小学館出版 ]
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※おねがい※
みなさんが自然しらべをする時には、
葉っぱや、枝、花、実などを決してとらないでくださいね。
貴重な命をみんなで大切にしましょう。
(写真は好きなだけ撮ってOK!)
〜おわり〜
(あっちゃん 記)