今日のテーマは「光の色 〜ヒトの世界、ムシの世界〜」です。「ふくるる森のようちえん」

今日のテーマは「光の色 〜ヒトの世界、ムシの世界〜」です。

 

雨上がりの空にかかった大きな虹。

思わず見とれてしまう美しい虹の色は

人間だけが見ることができるのです。

 

私たち人間とムシは目の働きが異なるため、

見ることができる光の色が違います。

なので、ヒトが見ている花の色と、ムシが見ている花の色は違うんです。

不思議ですね。

 

 

 

公園に着いた子どもたち、

夏草が生い茂る原っぱを駆け巡ります。

 

しっぽ取り のコピー.jpg

 

 

ムシが大好きな子が、熱心に草むらを探しています。

 

草むらのバッタを見つけたい のコピー.jpg

 

足で軽く草をけると、ムシがあわてて飛び出しました。

おやっと気づいた子どもが、

ガサガサ、トントン、ガサガサ・・・

リズミカルに草を動かしだすと、

飛び出すムシの数も増えて、大興奮です

 

 

 

今度は、「忍者ごっこ 森の中のかくれんぼ」です。

黒いポリ袋に切れ目を入れて頭からかぶって、忍者に変身。

 

忍者になりきります のコピー.jpg

 

 忍者になりきった子どもたち、いっせいに木の陰に隠れたのですが・・・、

なんとなんと、一回目はみんなで同じところに隠れてました。

みんな仲良しさんになったのでしょうね。

 

林を駆ける忍者たち のコピー.jpg

 

 

 

今日のテーマ「光の色 〜ヒトの世界、ムシの世界〜」のスタートです。

 

「空には、どんな色があるかな?」

最初に、みんなで空の色をあげていきました。

 

空は何色? のコピー.jpg

 

「しろ」、「みずいろ」、「オレンジ」など、

いろんな色の名前が出てきます。

 

そのうち、子どもたちは競うように、

「光っているしろ」、「光っているオレンジ」、

「濃いあお」、「薄いあお」など、色の名前をどんどん増やしていきました。

 

空には、光には、いろんな色があることに気づいたようです。

 

 

そこで、光の色を見るためにシャボン玉を飛ばします。

 

シャボン玉 のコピー.jpg

 

 「オレンジ」、「アオ」、「ミドリ」・・・

子どもたちは、見つけた色の名前を叫びながらシャボン玉を追いかけます。

シャボン玉が消えると、スタッフのもとに駆け戻り、

自分が見つけた色を口々に報告してくれます。

 

 

 

太陽の光が虹みたいな色の帯(スペクトル)に見える

というのを体験するために、

太陽の光を虹のように分ける装置(分光器)を作ります。

 

紙コップを黒く塗る のコピー.jpg

 

紙コップの内側を黒く塗り、

光が入るすき間と、観察用の穴をあけます。

CDを差し込むための切り込みを入れれば、できあがり!

 

ずいぶんお母さんに助けてもらいましたが、

みんな上手にできました。

 

分光器.jpg

 

 明るい方向を向いて、観察用の穴からのぞくと、

CDの表面にきれいな虹の色のリボンが現われて、

「見えた!、見えた!」と大喜びです。

 

分光器をのぞく、修正済み のコピー.jpg

 

 

 

ヒトとムシは目の働きが異なるため、

花の色や模様は、ムシにはヒトとは違って見えています。

 

 

「ムシには、どんな風に見えると思う?」

 

ヒトの目に見える花の写真を見て、

みんなでムシの見え方の当てっこゲームです。

 

う〜ん、残念ながらなかなか当たりません。

見えない世界を想像するのですから、むずかしいですね。

 

虫の眼で見ると のコピー.jpg

 

 当てっこゲームのあと、

ムシの目で見た花の写真を並べます。

 

「ムシの見え方には、同じようなところがあるんだけど、何だと思う?」

 

こどもたちはすぐに、色が違うので模様が違って見えること、

そして、花のまん中が目立つことに、気づきました。

 

「花のまん中には、何があるのかな?」と問いかけると、

 

「ミツがある」とか、「粉があるところ」、「ムシが花のまん中に集まるよ」という答えが返ってきました。

 

 

花は、ムシに来て欲しい場所(花粉)を、

ムシの目から目立つようにしています。

 

ムシにとって、花の中で一番行きたい場所(ミツ)が、

目立って見えています。

 

ムシの目で花のまん中が目立つことは、

花とムシとの不思議で大事なつながりを表わしています。

 

 

最後は、ペットボトルの中に雲を作る遊びです。

 

ペットボトル実験.jpg

 

 内側を軽く湿らせたペットボトルに線香の煙を入れ、

すぐにフタをして、

両手でペットボトルをギュッと押してへこませ、パッと放します。

 

この動作を何度か繰り返すと、手を放したときに

ペットボトルの中に雲が現われました。

でも、もう一度押してへこませると、雲は消えました。

 

(ペットボトルがへこむと、中の空気圧と温度が高くなり、水蒸気ができて透明になります。逆に、ペットボトルが膨らむと、中の空気圧と温度が低くなり、煙と水分が付着して白いツブ、つまり雲になります)

 

ペットボトルの中に雲を作る のコピー.jpg

 

雲はチリに水が付いてできること、白く見えることを、

自分の目で見て実感することができたようです。

 

 

「ねえ、黒い雲は、どうして黒いの?」

ひとりの子どもがスタッフのところに来て尋ねました。

 

「黒い雲は、どういうときに見えるのかな?」

「雨が降るとき」

「雨が降るときには、空にいっぱい雲があるでしょう?」

「うん」

「雲がいっぱいになって、大きく厚くなると、太陽の光が下まで届かなくなるよね?」

「あ、そうか! 分かった!」

「雲は黒いんじゃなくて、暗いんだよ」

 

答えにたどり着いた子どもは、とっても嬉しそう。

目をキラキラさせて、みんなのところに飛んで帰りました。

 

 

 

太陽の光にはいろんな色があることを確かめ、

自分たちが見ている花の色や模様と、

ムシが見ている花の色や模様が違うこと、

そこには、植物やムシの生きるための知恵がひそんでいることにふれた子どもたち。

 

自然の中の生きものたちの“命のつながり”に思いをはせて、

人間とは違う世界へ、好奇心を広げるきっかけにしてもらえたらうれしいですね。

 

 

【分光器を使うときのご注意】

目を守るため、光が入るすき間から直射日光を入れないように注意してください。

 


今日のテーマは「干潟はいのちのゆりかご」です。「ふくるる森のようちえん」

今日のテーマは「干潟はいのちのゆりかご」です。

 

潮の満ち引きによってさまざまに姿を変える干潟は、

小さな生き物たちの宝庫です。

 

岸辺から広がる砂地や砂泥地、泥地は、

満潮のときは海水に覆われていますが、

潮が引くにつれてカニや巻貝などが巣穴から出てくるので、

観察のチャンスです。

 

子どもたちは、何を発見するでしょうか? 

 

江戸川河口の干潟.jpg

 

千葉県の江戸川放水路河口の干潟。

干潮時には、かなり沖合まで泥地が広がります。

 

 

冒険のスタート.jpg

 

さあ、冒険のスタートです。

 

干潟に降りた子どもたちは、目の前をせわしなく動き回る、たくさんのカニを見てびっくり。

興奮のあまり、しばらく動けませんでした。

 

「潮が満ちてくるから、早く干潟に入ろう」という声でわれに帰った子どもたち、

歩きなれない泥に足を取られながら、お母さんに手を引かれ、次々に干潟に足を踏み入れます。

 

大丈夫でしょうか?

 

 

夢中で泥の中へ.jpg

 

いえいえ、心配ありません。カニや貝が見つかり始めると、もう夢中。

どんどん泥の中に入っていきました。

干潟の生き物は、砂や泥の中、石の周りや石の下、

潮だまりなどで多く見つかります。 

 

 

逃げ出すカニ.jpg

 

あわてて逃げ出すカニを見つけました。

動きがすばやいカニに目を取られるところですが、

手前の砂ダンゴの方が気になった子もいました。

砂遊びが大好きな子なのでしょうか。

 

取ってきた生き物を、カニ、貝類、海藻の3種類に分けました。

 

 

3種類に仕分け.jpg

 

カニ、貝、海藻の3つ.jpg

 

カニは動きがすばやくて、すぐにバットから逃げ出すので、子どもも大人も大忙し。

カニの一番人気は、長い眼が特徴のヤマトオサガニです。

 

最初は「カニさんにさわれるかな、カニはどうやって持つの?」と

心配していた子どもたちも、もうすっかりカニにさわれるようになりました。

 

  

学習 干潟の生き物.jpg

 

干潟には、どんな生き物がいるのかを学びます。

また、微生物から鳥類まで、いろんな生き物が

「食べる食べられる」という関係で

大きな命のつながりを作っていることをお話ししました。 

 

 

学習 カニの住む場所.jpg

 

さがす場所によって見つかるカニが異なることを学んでから、

取ってきたカニをルーペで観察します。

 

 

ルーペで観察.jpg

 

クローズアップで見るハサミの形や甲羅の模様に、子どもたちは興味津々、

なかなかルーペを手放しませんでした。

 

 

次は、ヨシの茂みの前に広がる泥地の生き物を探します。

 

ヨシの茂みの前.jpg

 

シオマネキ.jpg

 

近づくにつれて、たくさんの小さな白いものが動いているのが見えました。

チゴガニです。

 

白いハサミをいっせいに上下させるようすは、

チゴガニがみんなでダンスをしているよう。

 

 

ここでは、段ボールをボディボードにして、腹ばいになって観察しました。

 

カニと同じ低い視線から見ると、

上から見ていては分からないチゴガニの青いお腹も見ることができて、

子どもたちは大喜び。

初めて体験する干潟の匂いも気に入ったようでした。

 

段ボールに乗って−2.jpg

  

 

砂ダンゴを発見.jpg

 

盛り上がった砂ダンゴを発見。この下はどうなっているの? 

みんなが自分の考えを言い合います。

 

 

穴の深さを測る.jpg

 

下には穴があることに気づくと、

そばにあった木の棒で穴の深さを測り始めました。

 

子どもたちの好奇心と遊びの知恵には、いつも驚かされます。

 

 

干潟の大きな役割りのひとつに、水をきれいにする「浄化作用」があります。

 

これは、カニやゴカイ、イソギンチャク、二枚貝などが

水や泥の中の有機物などをエサとして取り込んでいるからです。

 

この浄化作用は、二枚貝を使って実験することができます。

今回も、当日に干潟で取った二枚貝を使って実験してみました。

 

浄化実験 スタート.jpg

 

浄化実験 結果.jpg

 

二つのペットボトルに同じ濁った海水を入れ、

右のペットボトルには二枚貝を数個、入れました。(上の写真)

子どもたちは何が起きるか分からず、不思議そうな顔をしています。

 

そのまま静かに置いたまま、一時間ほど経って比べてみると、

水のにごり具合に大きな違いが生まれました。(下の写真)

 

小さな貝が持っている大きな力に、子どもたちはもちろん、

お母さんたちもとっても驚いていました。

 

 

観察会が終わったあとは、すぐそばにある緑地でオニごっこです。

 

オニごっこ.jpg

 

一面を柔らかなシロツメクサが覆っているので、転んだって大丈夫! 

休む間もなく歓声を上げて走り回り、いい汗をかきました。

 

今回が初参加のお子さんも、一緒に活動するうちにすっかり打ち解けて、

もう楽しい仲間のひとりです。

 

 

泥の中から小さな命を発見し、初めてのお子さんも勇気を出して触り、

よーく観察することで、干潟の生き物への好奇心がどんどん高まって、

「次も干潟に来たい!」と、子どもたちは干潟の魅力のとりこになったようです。

 

 

なお、当日は風邪のために参加できなくなったお子さんが何人かいらっしゃいました。

夏は猛烈に暑い屋外と冷房が効いた電車や建物の中などで温度差が激しいため、

体調を崩すことが多くなります。

みなさん、自然の中で元気に遊べるように、体調管理に気をつけてくださいね。


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